ProCAST導入事例 DSB EURO 社

Casting
Heavy Industry & Machinery

DSB EURO社は、ProCASTの導入で生産性の向上に成功しました。

高精度鋳造シミュレーション
使用ソフト:ProCAST

 

ProCASTの導入とMECAS ESIによるサポートで生産性を向上

 

経緯

DSB EURO 社は、2006 年に鋳造シミュレーション・プログラムを導入するにあたり、4 製品の比較検討を行った結果、最新技術が結集されたESI の鋳造シミュレーション・プログラムProCASTの採用を決めました。製造過程で実証されたProCAST の予測精度とパフォーマンスの高さはもとより、DSB EURO社の地元においてESI が高度な技術サポートとトレーニングを提供できたことも採用を決定付けた理由です。

 

課題

鋳造品の品質向上と不良率の削減による、競争力の強化

 

効果

ProCAST では以下の点を高く評価しています。
DSB EURO s.r.o. 生産担当ディレクタ、Ing. Pavel Veselý 氏

  • ProCASTを導入したことで鋳造品の品質が向上した。

  • 自社の競争力も確実に強化することができた。

  • 修正作業の繰り返しや修正そのものを減らすことができ、納期短縮にも貢献している。

  • ProCAST の活躍により、2008年度の「European Quality Award」を受賞。

 

ESI と DSB EURO 社の連携による精度の高い鋳造シミュレーション

DSB EURO社が製造した鋳鋼品の一例

DSB EURO 社は、鋳造における湯流れと凝固過程のシミュレーションを行い、製品の品質と歩留まりを向上するためにProCAST の採用を決定しました。そして同社の競争力も大幅に強化されています。DSB EURO 社の製品はどれも高い技術力が結集されたものです。よって課題の多い最新の鋳鋼プロセスを評価できる高い性能を持ったソフトウェアが必要でした。

DSB EURO 社は、ESI グループの現地子会社であるMecas ESI と継続的に協業しており、ESI のソリューションに強い信頼を寄せています。2004 年から続く協業では、スチールバルブ鋳造技術のシミュレーションと最適化に焦点が当てられ、20 件を超えるプロジェクトを通じてシミュレーションの有用性が実証されています。これらのプロジェクトの成功から、DSB EURO 社は、鋳造開発プロセスに数値解析を導入することで多くのメリットが得られることを確信しています。

DSB EURO 社は、次の二つの点でProCAST を高く評価しています。まずひとつは、同社の技術や製品の要件に合わせてシミュレーション・モデルが修正できることです。そして、開発過程の早い段階でシミュレーションによってのみ収集できる貴重なデータを取得できる機能を持っていることです。

ESI は、ProCAST と、Mecas ESI による専門性の高い現場でのサポートにより、シミュレーションをスムーズに実行できる環境を構築しました。それと同時に解析を担当するスタッフ3 名のトレーニングを行ない、DSB EURO 社のニーズを満たすことができました。

 

ProCAST により大幅な鋳物製造コスト削減

従来の設計では一般的に発生する
製品部分(上)も、ProCASTなど
​​​​​のシミュレーションで予測および
修正が可能となる(下)

「従来の試行錯誤、すなわち「トライアルアンドエラー」による方法は、多くの費用と時間を浪費するため、できる限り避けたいと思っています。今回、シミュレーションを実行できるようになったことで、コンピュータの画面上でプロセスの内容を確認してから実際の鋳造に取り掛かることが可能になりました。」とPavel Veselý 氏は語っています。

DSB EURO 社がProCAST を導入して以下のような成果が上がりました。

  • プロセス全体の品質と顧客満足が向上した。

  • 製造コストの大幅な削減にも貢献した。

  • 初期段階でシミュレーションを実行することによりより修正作業が大幅に減り、材料コストを削減することができた。

  • 従来の製造工程では検出できなかった欠陥をProCAST で予測できるようになり欠陥のない状態で製品を納品できるようになった。

ProCAST の導入前と導入後の製造コストの比較分析では、歩留まりが向上し、修正作業にかかるコストが削減されたことで、18 ヶ月間で100,000 ユーロの節約を実現したという結果が報告されています。
ProCAST を導入したことで、技術面での大胆な試みもシミュレーションでその有効性を確認することができるようになり、生産計画のバリエーションが広がりました。次に挙げるものは、従来であればその大きさからDSB EURO 社の工場では製造不可能とされていたにもかかわらず、良好な結果が得られた製品の一例です。

発熱スリーブの実装などによるゲート、冷し金、および押し湯の再設計をシミュレーションしました。この新しい設計は難題ではありましたが、溶湯の量を大幅に減らし、材料品質も向上させることができました。

 

 


次の例では、ProCAST を使用し、押し湯と冷し金の設計、さらには充填システムを最適化することで製品品質を向上させています。発熱スリーブを使用する場合は、冷し金の位置が極めて重要です。最適化された製品では、想定していなかった変形がいくつか確認されましたが、これもシミュレーションで予測することが可能です。最終的には、これらのゆがみを防ぐために、鋳造物の配置を垂直方向から水平方向に変更すべきとの結論に達しました。
 

 

また、設計の初期段階でProCAST を使用したことで、DSB EURO 社の顧客との連携体制が強化されたという効果も生まれました。顧客との建設的な議論が生まれ、実際に溶湯を注ぐ前に設計変更が可能となったことから、製品の品質と歩留まりの向上につながり、製造側と顧客の双方にとって大きなメリットとなっています。

ProCAST はDSB EURO 社の競争力の強化と開発プロセスの合理化の実現に貢献しています。